乳がんの特徴、初期症状、検査、ステージごとの症状、治療について

乳がん(乳癌)の特徴

昨今の日本において、新たに乳がん(乳癌)を発症する患者の数は、年間にして約2万人を数えると言われています。 今後も引き続き、乳がんを発症する患者数は年々増加の一途をたどるであろうと推測され、 その勢いは、現在最も症例数の多い胃がんを抜いて、女性の罹患するがんでも最も多いがんになることが考えられます。

また、男性も無関係な話ではなく、男性も乳がんになることがあります。発生するのは50代の方が多く、発生率は女性の約1/100といわれているものの、男性にとっても決して無視出来る存在ではないといえます。

乳房のしくみと、乳がんの発生

乳房は、おおまかに2つの部位に分けることが出来ます。1つは、「乳腺」といわれる組織。乳汁を分泌する機能を持っています。また、もう1つは、周囲を囲む脂肪等の組織で、どちらも大胸筋上に乗っているのが特徴です。乳腺は、乳頭を中心に15〜20個ほど並んでおり、それぞれの乳腺は「小葉」に分岐し、小葉は「乳管」という管でつながっています。発生する乳がんの約9割は、乳管を構成する部位の1つである「腺上皮」から発生し、これらを総称して「乳管がん」と呼んでいます。また、「小葉」から発生する乳がんも少なからず存在し、これらを「小葉がん」として区別します。

乳がんの進行

乳管または小葉から発生したがん細胞は、乳管の内部にて拡散したり、乳管を越え、周囲の結合組織、或いは脂肪組織にまで拡大し、進行していきます。乳管の内部に留まり、周囲の組織に浸潤しない乳がんは「乳管内がん」、或いは「非浸潤がん」と呼ばれ、また乳管の外部の組織にまで拡がっているタイプの乳がんを「浸潤がん」と呼び、区別されています。

発見が遅れたり、見過ごしてしまったりと、適切な対処を行わず放っておいてしまうと、がん細胞は徐々に大きくなり、外部へと進行、しこり上の皮膚や、胸部の筋肉まで進行してしまうことがあります。

乳管の外にまで侵攻してしまったがん細胞は、脇の下のリンパ節に転移したり、リンパ液や血液と共に身体の中をめぐり、乳房とは直接隣り合っていない、離れた臓器まで「遠隔転移」することも少なくありません。(進行乳がん)また、手術後に乳がんが再発したり、遠隔転移が発見されるケースも有り、これを「再発乳がん」といいます。

乳がんの初期症状

乳がんは、自覚症状で気が付く方が多いのも特徴です。

近年の乳がんに対する意識向上により、「乳房のしこり」や「乳房に痛み」を自覚した際に自ら受診し発見されるケースがほとんどです。

また、他にも自覚できる症状として、以下の様なものが上げられます。

  • ・乳房が異常に腫れている
  • ・乳房の皮膚にくぼみや、引きつれが見られる
  • ・乳頭がくぼんでいる
  • ・乳頭から血液が混じった分泌物がでてきた
  • ・わきの下が腫れている/腫れていると感じる
  • ・首やわきの下にシコリがある
  • ・乳房が痛んだり、熱っぽく感じ赤みがかっている

これらの症状が自覚された場合は、専門医にご相談されることをお勧めいたします。

しかし、極めて初期の段階では、しこりも自覚できないほどほど小さいものだったり、乳房の痛みや明らかな体調不良などの自覚症状が出ないことも多々有ります。頻繁なセルフチェックも併せて、定期的な検診が重要です。

特殊な乳がん

まるで炎症したように皮膚が赤らんだり、むくんで見えることから、炎症性乳がんとよばれる乳がんがあります。発症頻度は多くはないですが、単なる炎症と区別がつきづらく、発見が遅れることが多いので、注意が必要です。

また、乳頭部の爛れ(ただれ)、或いは湿疹のような症状が出るPAGET病というタイプの乳がんもあるので、要注意です。

進行乳がんの症状

骨や肺、肝臓、脳など、遠隔転移を起こした乳がんは、転移した先により様々な症状が見られます。

骨転移の場合:肩や背中、腰の骨などの箇所に痛みを感じるケースが多いです。

肺転移の場合:むやみに咳き込んだり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。

肝臓転移の場合:背中や腰、お腹が張ったような痛みを伴ったり、食欲が減退することがあります。また、黄疸が見られたり、腹水がたまり極端にお腹が膨らむことがあります。脳転移の場合:かすみ目や、ふらふらと感じたり、味覚に異常が出たり、呂律(ロレツ)が回らなったりなど、症状は様々です。

乳がんを発症しやすい人とは?

乳がんが発生する直接の原因はまだ究明段階ですが、過去の多くの統計データ等から、乳がんを発症しやすい人の傾向がわかっています。

例えば、母親や姉妹に乳がんを発症した人がいる方や、動物性脂肪を多く含む食事を好む方、初潮を迎えた年齢が若い方や、閉経が遅い方、または出産経験の少ない方や、初めて出産を迎えた年齢が遅かった方などが、乳がんになりやすい人として挙げられています。これらに該当する方が必ず乳がんになるわけでは当然ありませんが、いざというときのために、頻繁にセルフチェックを行うなどして早期発見に努めることに損はないでしょう。

乳がんの予防・ワクチン

乳がんを発症しやすい人とはの項でも述べた通リ、乳がんを発生しやすい人の傾向はわかっているので、それらを避ける事が重要です。

特に閉経を迎えた女性は、肥満を避け、日常的に適度な運動を行うことで、乳がんの予防効果を高めるであろうことは容易に想像できます。

また、老若男女問わず食生活を整え、過度な動物性脂肪の摂取を避ける事も重要です。一部の報告では、納豆などの大豆食品や、魚類、多くの野菜、フルーツなども、予防効果を高めるとされています。

また、近年、乳がん予防に効果的なワクチンも、まだ開発段階ではあるものの研究されています。臨床実験では非常に高い効果を見せているとのことで、大いに期待が持てますね。

ただし、おしなべて全てのがんにおいて重要なのは、いざというときの早期発見。がんに対する絶対的な予防策はないので、定期的な検診が最も大事ということは、覚えておいて損はありません。

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